母:敦子物語 Vol.69

自分の母親とは違い、義母はいつも子供や孫たちに囲まれていた。旅行に行っても、お祝いの席でも冗談を言って周囲を笑わせたり、歌を歌ったり、踊りを披露したりする気遣いをしてくれていた。CMの真似をして「100歳100歳」と自分が100歳まで生きるといって周囲を和ませてくれたこともあった。また3男3女を産んだ義母から、男の子供と女の子供には可愛さに違いがあること、男の子は特別であるということなども教えてもらった。自分には女の子しか産まれなかったので、全て自分の子なんだから、男の子も女の子も同じだと思っていたので、義母からの話は衝撃であった。

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義父が亡くなってからも、ずっと一人暮らしをしながら頑張ってきた義母ではあったが、とうとう体調を壊し、倒れてしまった。病院に入院し、一命はとりとめたものの、それからはどんどん弱ってしまい、さすがに一人暮らしの継続が厳しくなっていった。直ぐに人と打ち解ける性格だったので、病院や施設に入っても友達を作ったり、大切にされていたようではあったが、やはり自分でなんでもしてきた人が、自由を失うということの辛さを義母を通じて感じた。一時は義母と一緒に住むことまで考えた時期もあったのにと思うと、施設で迎えた最期を、義母はどう考えていたのだろうかと思ったのだった。