母:敦子物語 Vol.62

子供の成長は早いもので、友もあっという間に高校の卒業を迎えてしまった。病院の面接でコンピューターが出来ると答えたことで、事務職で就職することになったが、病院に隣接している寮に入居するということにもなったので、卒業式が終わって間なしに家を出ることになった。準備も至ってシンプルで、夫が自分の勤務している病院からもらってきた冷蔵庫と他はダンボール数個で終わってしまう程度であった。

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引っ越しも、自分たちで行ったのだが、寮は家からは高速に乗れば1時間程度の距離ではあったため、それほど時間もかからずに終了した。ただ、その寮はトイレ共同、キッチン共同、お風呂共同、4階に部屋があったがエレベーターも無しというところであったし、部屋も狭かったので「大丈夫かな」と心配になった。最後に当面の生活費を友に渡し、寮を出て帰る時には、子供がいよいよ自立するのだという気持ちではあったが、涙が出てきた。

生まれた時から、自分の好きなことをして、自立して生活出来る子供に育てると意識はしてきたものの、いざその瞬間が来ると寂しさも湧き上がるのだということをこの時に知ったのであった。