母:敦子物語 Vol.53

反抗期のある無しに関わらず、子供も高校生くらいになると、その内部に充満するエネルギーを発散しなければならないと思っていた。直は自分から踊りが好きということを伝えてきたので、それに付き合ったが、友は特に何が好きということもないので、こちらから提案する必要があった。少し難しいこと、男性が好きそうなことが向いていると思い、バイクの免許を取ってみれば?と提案してみるとのってきた。教習所に通い始めて直ぐに小型バイクの免許を取得したので、中型バイクの免許も取得するようにすすめるとそれもあっさりと取得してしまった。

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向いていたとも言えるが、あまりにもあっさり取得してきたので、このまま本当にバイクに乗るようになってしまったら事故を起こしてしまうのでは?と心配になった。そこで免許を取るなら大型バイクまで取ったほうがいいというと、教習所では取れないので、直接運転免許試験場に行く必要があるという。そこで、自分で調べさせ、試験場と同様の練習場がある教習所に通わせることにした。住所通りの場所に行くと、そこは小さな事務所があるだけだったので、どういうことかと説明を受けると、そこは営業所であり、実際に教習を受けるのは浦和にある練習場とのことであった。すると、家から通うとすると少なくとも1時間半〜2時間近くかかってしまう。本人に聞くと、夏休みに通えばいいので、それでいいという。金額を聞くとかなりの高額で驚いたが、既に後には引けない。中型免許のままで事故にでもあったら自分が後悔するが、大型まで取得させて事故にあうなら納得も出来ると自分に言い聞かせ、教習所に通わせることになった。

高額ということもあり、最初は夫には内緒で開始した。毎日、毎日朝から夕方までかけて遠くまで教習に行くことも本人は楽しんでいた。かなり乗りこなせるようになったということで、ようやく夫に話をして、夫の休みの日に一緒に教習見学に行った。すると、大きなバイクを、小さい体で器用に乗りこなしている姿を夫とながめていると、夫も文句を言うということも出来なかったようで笑っていた。

高校2年生の夏という不安定な時期に、子供にとって夢中になるものを与えることが出来たのであった。