母:敦子物語 Vol.33

とても素直で心優しく中学時代は反抗期も無かった直も、いよいよ高校生になり、バイトをしたいと言い始めたり、友達と遊びに出かけることが増えてきた。こういう時期に一歩間違うと非行に走る可能性もあると思い、この時期は直の行動に注意をはらうようにしていた。

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ある日、駅前で、高校からの帰宅途中と思われる直が同じ年くらいの男の子と一緒にバスに乗ろうとしている所を発見した!所が行き先が、家に帰る方向とは違うバスだった。その時は、自分の友達と友も一緒にいたのだが、三人で「直の後をついていこう!」ということになり、直の乗った満員のバスに一緒に乗り込んだ。どこで降りるのかと降車する人たちを確認したのだが、中々降りない。どんどん乗客がバスから降りていってしまい、最終的には我々だけになってしまった。そこで直に「あー!」と気付かれて「なんでお母さんがいるのー?」と驚かれた。逆方向のバスに乗る所を発見したので、つけていたと正直に言うと、直は大笑いしていた。一緒にいた男の子もよく見ると、とても素直そうな子で、問題になりそうでもなかったので、追跡はそこまでにして三人は帰宅することとした。

また、直が高校2年くらいになると、今度は友達とディスコに行きたい!ということを言い始めた。夜中の新宿に友達同士でなどは行かせられない。ただ、家でも友達を呼んで音楽をかけながら踊っている姿を見ていると、直が一番うまい。常にラジカセでディスコミュージックを聞いて踊るようになっていたが、本当に踊るのが好き!という感じに思えた。そこで、踊りたい娘を、自分が危険だと思うからと踊りに行かせないのも娘に我慢させることかもしれないなと思い、ディスコに行きたいなら私が連れて行こう!ということになった。直の友達も含めて自分が保護者として連れて行くことにした。毎週のように土曜日の夜はディスコでイキイキと踊る娘をぼんやり眺めながら、本当に踊ることが好きなんだなあと思いながら、これも自分がしてもらえなかったことの一つを娘にしてあげられているのだと感じていたのであった。