母:敦子物語 Vol.31

子供には、様々な行事を意識して教える必要があると思っていた。七五三を祝うというのもその一つであった。女の子だったので、三歳と七歳の七五三は着物を着せた。本人も普段は活発だが、着物を着ている時はいつもより大人しくなり、着物を着ているという意識が子供の行動も変えるのだと感じたりした。季節の食べ物や季節行事も同様で、菖蒲湯に入る、おはぎの時期だ、柚子湯の日だなどと常に季節感との関連を子供に教えた。

こうした行事も、自分の子供時代にはしてもらえなかったことの一つでもあるからこそ、自分は子供に対してきちんと教えてあげたかった。直と友は10歳の歳の差があったので、洋服などお下がりを着せるということが出来なかったため、行事がある度に一から購入する必要があった。

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季節の行事の中には、各種イベントなども含まれていた。春になると潮干狩りに行ったり、5月は浅草の三社祭など一年中なんらかの行事があるため、いつしか子供のほうがその行事の時期を覚えて「そろそろアサリご飯の季節だね」など言ってくるようになる。思い出を増やしながら、こうして季節の行事を増やしていけている結果をもみることができていた。

ただ、時には経済的にきつい時もあるのだが、子供にはそれは伝わらない。そろそろ毛ガニの時期だ!とか、今年も初物のスイカを5月には食べよう!など、細かい指定もされるようになると思わず苦笑いしたくなるような時もあった。それでも、季節の食べ物、行事を極力欠かすことなく毎年実行したおかげで、子供は自然とそうした知識を身につけられたように思う。