母:敦子物語 Vol.24

直と友は年が10歳離れていたということもあって、直は妹の面倒をよくみていた。妹のお弁当を作ったり、一緒に遊んだりしてくれたので、とても助かった。友も姉のことを「おねえちゃま」と呼んで慕っていた。また、夫も良く面倒をみていたので、夜中に友がトイレに行きたいから連れて行ってと言うのは、決まって夫の方だった。普段話しを聞いたり遊びに連れていってもらうのは母親、甘えたり助けてもらうのは父親と分かっていたかのようである。

ただ、教育や成長に全面的な責任を持つのは自分であると考えていたので、一貫性を持って育てるには、自分のこともかなり変えていかなければならなかった。子供でも一人の人間として育てるというのは、根気良く話しを聞く必要がある。元々、自分の性格は人の話を良く聞くタイプではなかったのだが「決めたことだから」と友が話す保育園での出来事でもジッと話しを聞く。最後まで話しをさせる。決して話しの腰を折ららない。すると、子供はどんどん話しをする子供になっていく。疲れていようが、眠かろうがおかまいなしだ。

IMG_7698

また、子供の性格なのか?好きな歌などが出来るとその歌ばかりを聞くようになるので、車で出かけている時など「およげ!たいやきくん」を飽き飽きするほど繰り返し聞かされたりもした。以前の自分なら耐えきれないが、子供が夢中になっていることを遮ることはしないと決めていたので、一緒に聞き続けた。自分が両親からされてきたこととは、真逆の育て方をすることは、大変でもあったが、これが正しいと思える瞬間でもあった。

子供の要望を何でも聞くというわけではないが、行動が伴ったり、理由がきちんとあれば、一定の許可も与えていくようにしていた。その中でも、食べたいものはなんでも食べて良いが、必ず完食するという約束もしていた。すると、食べきれる量を本人が考えるようになったり、あれもこれもとダダをこねたりもしない。ジッとお菓子の前で考えて、一つ手に取り「今日はこれにしてみる」と言う姿もおもしろかった。一方で小さい頃から「なぜそれをするのか?したいのか?」を考えさせたことで屁理屈も非常にうまい子供に友はなっていった。