母:敦子物語 Vol.20

次女のことは直(なお)赤ん坊は友(とも)と呼んでいた。直は初めて出来た妹をとても大切にしてくれて、面倒もよく見てくれた。姉と言っても10歳なのに、産まれる前に約束していた「ちゃんと面倒をみる」という約束をしっかり守っていた。ただ、夫にとっても初めての子供だったので、お互いに手をかけすぎるようなこともあった。ある時、直が友の側にいる時に泣き始めたら、夫が飛んできて「お前が泣かせたな!」など理不尽に怒ったりしている。直も自分が泣かせたりしないと言うのだが、これは困ったことだなと二人を見ながら思った。かと言って、面倒を見るなとも言えず、ハラハラしながらも二人の子育てを見守っていた。

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すると、あっという間に友が泣く前のフガフガ言いはじめるだけで「オムツか?ミルクか?」など分かるようになってきて、殆ど泣かせることなく、ちょっと表情を変えるくらいで事前にオムツを替えたりミルクを飲ませるようになっていた。友は満足したようにそれらが終わるとスヤスヤ眠ったので、全員が泣かせないように注意していたように思う。

その当時は自分で屋台のおでん屋さんを営んでおり、昼間はずっと面倒を見ていられるし、夜は昼の仕事の夫が面倒を見ていられたので、常に両親と離れることなく友を育てることが出来ていた。ただ、歩き始めたり、物心がつきはじめると、夜になると出かけようとする自分に、泣きながら追いかけてくるようになってしまった。そんな日々を経て、屋台ではなく住居と店が一体になっていれば、四六時中子供と一緒に居られると考え、夫に相談した。すると、夫も賛成してくれたのだが、店をオープンするには資金が足りなかった。夫は考えた末、夜中に高速をとばして、夫の実家である神戸まで両親に資金を借りるため帰ってくれたのであった。

Tomomi Naka

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