母:敦子物語 Vol.13

娘のことばかりに気持ちが追われていたせいか、夫婦で会話をするという時間もあまりなく、気づけば夫は外泊がちになっていた。長女の病気を知った瞬間から全力で世話をしてきたが、旅立ってしまったことで気が滅入っていたときであっても、頼るというよりは自分で乗り越えるしかないという思いが強かったように思う。いつしか、二人の子供という意識から自分が産んだ我が子という気持ちが強くなっていたのかもしれない。

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少しずつ夫婦の距離が出来てきた矢先、夫は時に荒れて外で喧嘩をしたり、周囲へ迷惑をかけることも多々出てきた。元々大人しい人ではなかったが、より問題を起こすことが増えていった。意識が無くなるほど、お酒を飲み、大声を出して帰ってきたりするのだが、朝になると何一つ覚えていないという。一つの大きな悲しみを乗り越えるだけでも、疲労困憊していたのに、何故夫はそれを理解出来ないのだろうか。穏やかに暮らしたいと思っただけだのに、何故それが出来ないのだろうと情けなくなり、喧嘩に発展する日々が続いた。

そんなことを繰り返しているうちに、これでは実家の両親がしていたことと変わらないこと、次女を育てていくためにもこんな環境のままでいいはずがないこと、穏やかな生活とはどんどんかけ離れていることから、離婚することを決意し、次女を連れて家を出た。

この当時は、離婚した女性に対してほぼサポート体制などなく、親子二人の倹しい生活がスタートするのであった。

※母の当時の写真が手元になかったので、私の幼少期の写真を使用。