母:敦子物語 Vol.5

中学を卒業すると、母(祖母)から近所の産婦人科医院で、看護学校に通いながら住み込みの仕事をするように言いつけられた。いくら家事や妹弟の世話は大変だと言っても、家を出て生活するというのは、寂しいものであった。妹も自分に代わり、弟をおんぶしながら近所の商店で手伝いをしていたが、それでも、家に家族と一緒にいられることが羨ましかった。

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医院では、学校に行く前に、掃除や朝食の支度、学校から帰ってきたら医院の手伝い、夕食の支度など早朝から夜までやることは山積みだった。院長の奥さんから、掃除の仕方から食事の支度の細部に至るまで指示があり、かなり細かい内容であったので、夜になると疲れてヘトヘトだった。

お米は茶碗一杯のみ。食べ終わった茶碗に白湯を入れて箸で綺麗に茶碗をこすり、最期に白湯を飲み干すという食べ方も院長夫婦の作法だったので、それに習った。

また食べ盛りの時期であったのだが、決められた量しか食べられない雰囲気があり、空腹を我慢することも多かった。

早く休みにならないかな。早く家に帰りたいな。と思いながら眠りについた。

※母の幼少期の写真が手元になかったので、私の幼少期の写真を使用。