看護師社長物語 Vol.23 ~幼少期~

近所に来ていた「紙芝居のおじさん」(時代を感じる)

良く紙芝居を聞きながら、水あめやら、ソースせんべいを食べていました。ここには、アメ抜き(数字を回りの型からうまく取り出す)やコマ(中心に棒が付いていて、円盤型になっているステンレスをおじさんが回転させ、周囲に書いてある数字を子供が指で掴み、押さえた所が自分のポイントになる。小型回転ダーツのようなもの)という遊びもありました。

「アメ抜き」は、周囲の型とアメを上手に分離させ、それが出来ると、もう一つアメがもらえるという特典がある。

「コマ」は1回20円。100円で5回(当然と言えば当然ですが、ここに大きなポイントが!)1回行うとコマを押さえる位置によって、10円~50円の枠があります。当然10円や20円の枠は大きく、50円はとても小さい。どこかの番組のダーツで車を当てるような幅の狭さ!

友人はアメ抜きが好きでした。コツコツと数字を型から切り分けたり、舌で微調整をしたりしていました。私はこれ苦手。数字の「8」なんてものを引いてしまうと、もの凄く難しい!やっと出来てもまた一つ新しいアメをもらうというのは、私にとって、あまり特典のある遊びではありませんでした。

私が好きだったのは「コマ」

大抵、大勢の子供が並んでソースせんべいなどを購入しているので、前の子供の買っているものを見ながら自分の順番を待つのです。そこで、コマをやる子の殆どが1回(20円分)のみの挑戦。大抵100円を1回に使う感じなのですが、コマは1回。理由は簡単。リスクを避けているんです。子供ながらに考えているんですね!

しかーーし

更に観察していると、1回しか行わない子供は10円のところを挟んでしまうと20円払って、購入出来るもの(おかし)は10円分。もちろんラッキーで30円の部分を挟むこともありますし、超ラッキーで50円という場合もあるでしょうが、そんな子は極わずか。故に、大抵の子は20円払って10円か、20円という減るか、そのままであるということが分かりました。

そこで!

回転するコマを挟むにもコツがあるはず!と思った私は、1回では到底50円の部分を挟むことは出来ないだろうと考え、100円を全て勝負資金に!連続して5回もはさめば、最後には上手くなって50円が1回位でれば100円の投資で(もちろんこの当時、投資という言葉は私の語彙に無かったと思う)100円以上になる可能性があると考えたのです。

100円をおじさんに渡し「5回お願い!」と、さも誇らしげに(意味が分からない)勝負に挑みました。真剣にコマを回すおじさん…コマをみつめる私…両者の間に勝負の炎が燃えているような気持ちで密かに「絶対に負けない!」と思いつつ回転するコマを必死で掴みました。(力はいりすぎです)

結果!

どういう順番だったかは覚えてませんが、トータル90円。そう、私はこの熱い勝負に負けてしまったのです…(ガッカリ)案外難しいこのコマに敗北した私は、ソースせんべいやら、オレンジせんべい、梅せんべい(どれも同じせんべいで、中に塗るもので変化)を金額分注文すると、おじさんが「あと10円分はおまけするよ♪」と!!!

なっなんと!勝負に負けたにも関わらず、100円分のおかしを手にすることが出来たのです!この時は、おじさんが天使に見えました。結局気分良く、

「勝負してみて良かった!」

と思い。これ以降も紙芝居に行くと毎回、「コマ5回!」を繰り返していました。毎回コマを5回も行っているとここはやはり「確率」と同じで、不思議と高得点を得る日もあるわけです。150円分の日もあれば、時には倍近くになる日もあります。負けても100円分。勝てばそれ以上。

ここには、もちろん「おじさんの優しさ」が含まれてのことなので、通常リスクが無条件で補填されるようなことは大人になれば無いことも分かります。しかし、子供のうちにこのことを経験したのは、とても良かったと思っています。行う前からリスクばかりを恐れて手を出さないということは無くなったのも、おじさんのお陰。

紙芝居のおじさんから人生学ばせていただきました。今更ですが、ありがとう!

その後も、私のようにコマ5回する子供は殆どみなかったなー。友人にも勧めてみましたが、あまり興奮してはくれていませんでした。まずは勝負してから、好きなアメ抜きを買えばいいのに…っと思うのは私の案であり、そこには、やはりタイプがあるんでしょうね。